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【リトアニア語の文字】アルファベット32文字と書き言葉の歴史

Miki Kobayashi

著者 Miki Kobayashi
公開日 October 26, 2026

目次

語学を勉強していて、「リトアニア語ってどんな文字で書くんだろう?」と気になったことはありませんか?実はリトアニア語、地球上で話されている古い言語トップ10に入るとも言われる言語なんです。

この記事では、リトアニア語の文字とアルファベット、そして書き言葉の歴史をまとめました。リトアニア語が気になっている人にぴったりの内容です!

書き言葉の背景には、つらい歴史や周りの国との深いつながりも。知れば知るほど、リトアニア語をもっと学びたくなるはず。さっそく見ていきましょう!

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リトアニア語の文字:ラテン文字が基本

リトアニア語の文字:全部で32文字(母音12・子音20)、Q・W・Xは使わない

リトアニア語の書き言葉に使われるのは、ラテン文字。リトアニア語のアルファベットはabėcėlė(アベーツェーレー)と呼ばれます。

英語と同じラテン文字で、左から右へ書くので、ローマ字に慣れた日本人にも親しみやすいんです。

ただし、使わない文字がいくつかあるほか、記号(ダイアクリティカルマーク)のついた文字も。発音も英語とはかなり違います。

abėcėlėは全部で32文字。母音が12、子音が20です。

英語のアルファベットのうち、Q、W、Xは使いません。

また、Ą、Ę、Į、Ųには、下に小さなしっぽのような記号(オゴネク)がつきます。このしっぽは、「ー」と伸ばす長い母音のしるしです。

アルファベット(abėcėlė)一覧

文字読み方例(読み方)意味
A a「ア」antis(アンティス)アヒル
Ą ą長い「アー」ąsotis(アーソティス)水差し
B b「ブ」banginis(バンギニス)クジラ
C c「ツ」citrina(ツィトリナ)レモン
Č č「チ」česnakas(チェスナカス)ニンニク
D d「ド」duona(ドゥオナ)パン
E e口を大きめに開ける「エ」eglė(エグレー)トウヒ(モミの仲間の木)
Ę ę口を大きめに開ける長い「エー」dabartinę(ダバルティネー)現在の(dabartinisの変化形)
Ė ė口を横に引く長い「エー」ėriena(エーリエナ)子羊の肉
F f「フ」fotelis(フォテリス)ひじ掛けいす
G g「グ」grybas(グリーバス)キノコ
H h「フ」(英語のh)herbas(ヘルバス)紋章
I i短い「イ」inkilas(インキラス)巣箱
Į į長い「イー」įrankiai(イーランキェイ)道具
Y y長い「イー」yla(イーラ)錐(きり)
J j「ヤ行」の音jautis(ヤウティス)雄牛
K k「ク」kėdė(ケーデー)いす
L l「ル」ledai(レダイ)アイスクリーム
M m「ム」mėnulis(メーヌリス)月
N n「ヌ」namas(ナマス)家
O o「オ」obuolys(オブオリース)リンゴ
P p「プ」pelėda(ペレーダ)フクロウ
R r巻き舌の「ル」raktas(ラクタス)鍵
S s「ス」sraigė(スライゲー)カタツムリ
Š š「シュ」šuo(シュオ)犬
T t「トゥ」tortas(トルタス)ケーキ
U u短い「ウ」ugnis(ウグニス)火
Ų ų長い「ウー」vaikų(ヴァイクー)子どもたちの
Ū ū長い「ウー」ūsai(ウーサイ)口ひげ
V v「ヴ」varpas(ヴァルパス)鐘
Z z「ズ」zebras(ゼブラス)シマウマ
Ž ž「ジュ」žvaigždė(ジュヴァイグジュデー)星

覚えておきたい発音のポイント

リトアニア語の発音のポイント:Jはヤ行、Cはツの音

リトアニア語のアルファベットで、特に大切なポイントはこちら。

  1. Jは英語のjamのような「ジャ」にはなりません。たとえば人の名前Jonasは「ヨナス」と読みます。
  2. Cは英語のcakeのような「ク」にはならず、いつも「ツ」の音。
  3. 2つの子音で1つの音を表すこともあります。
  • Ch, ch:ドイツ語achtのch。のどの奥から息をこすらせて出す「ハ」に近い音です。
  • Dz, dz:「ヅ」に近い音。単語の最初にも出てきます。
  • Dž, dž:英語jamのjのような「ヂュ」。

記号や長い母音、アクセントをどう発音するか、気になってきた人も多いはず。Lingアプリには聞く・話す練習機能があって、音声を聞きながら単語を練習できます。

ボタンひとつで繰り返したり、ゆっくり再生したりもできるんです。

書き言葉の始まり

ヨーロッパの言語の多くは、インド・ヨーロッパ語族の仲間。紀元前3500年ごろから少しずつ分かれ、たくさんの言語になっていきました。

ドイツ語、イタリア語、英語などもその一部。分かれるうちに、共通の特徴をだんだん失っていったんです。

ところが、インド・ヨーロッパ語族のバルト語派に属する現代リトアニア語は、言語学者が「インド・ヨーロッパ祖語」と呼ぶ言葉の特徴を多く残しています。祖語が話されていたのは、紀元前3500年ごろと考えられています。

ほかのバルト語派の言語と比べても、リトアニア語は祖語の音や文法をいちばん多く残している言語。世界で最も古い言語のひとつと言われるのは、そのためなんです。

書き言葉の苦難の歴史

リトアニアの人々は、自分たちの言語をとても誇りにしています。その思いが特に強いのは、リトアニア語がつらい歴史を乗り越えてきたからです。

独立前の1864年から1904年まで、ロシア帝国はリトアニア語を教育や出版で使うことを禁止。ラテン文字で書くことも完全に禁じられました。

学校でリトアニア語を学べなくなり、リトアニア語の古典文学も失われる危機にありました。

それでも、リトアニア語の本は東プロイセンやアメリカで印刷され続けました。

「本の密輸人」たちは、捕まって刑務所に入れられる危険を冒して、本を国内に運び込んだんです。禁止が解かれる1904年まで活動は続き、多くのリトアニア人から英雄として尊敬されています。

公用語としてのリトアニア語

リトアニア語がリトアニアの公用語なのは、当然といえば当然。リトアニアでは、ほかにもロシア語、ポーランド語、英語などが話されています。

リトアニア語について、もう少しだけ。

  • 現代のリトアニア語には、地域で分かれる2つの大きな方言があります。高地リトアニア語と低地リトアニア語です。
  • リトアニア唯一の公用語。
  • リトアニア語を話せるかどうかは、リトアニア人かどうかを見分ける目安のひとつ。
  • インド・ヨーロッパ祖語の特徴を残しているので、今の標準リトアニア語にもサンスクリット語とよく似た部分がたくさんあります。
  • 最初のリトアニア語の辞書が印刷されたのは17世紀。
  • 最初に印刷されたリトアニア語の本は『カテキズム(教理問答)』。
  • リトアニア語を話すのは約290万人。主にリトアニアと、ポーランドなどの周辺国に住んでいます。

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