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【セルビア語の文法】名詞・代名詞・動詞と語順の基本

Miki Kobayashi

著者 Miki Kobayashi
公開日 October 14, 2026

目次

セルビア語の文法は、思っているほど怖くありません。大切なのは、パターンに気づくこと。

名詞の格、動詞のアスペクト、いろいろな語尾には少し根気と練習が必要ですが、一度つかめば文法のルールがぐっとわかりやすくなるんです。

手早く文法を知りたい人にぴったりのページがここ。この記事では、セルビア語の基本の文の作り方と、名詞・代名詞・動詞といった品詞をざっくり見ていきます。

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セルビア語の文法のしくみ

セルビア語の文法は、とても理屈が通っています。たとえば、格は文の中で「誰が何をしているか」を示し、名詞は役割によって形を変え、動詞は「何が・いつ起きているか」を伝えます。

ざっくり言うと、セルビア語の単語は10の品詞に分かれます。

  • 5つは、性や数によって形が変わる品詞。
  • 残りの5つは、形が変わらない品詞。

でも、初心者のうちは10個すべてをマスターしなくても、基本の文は作れます。まずは、形が変わる品詞の1つ目、名詞から始めましょう。

名詞

セルビア語の名詞は性・数・格によって形が変わる

日本語と同じく、セルビア語の名詞は人、場所、物、考えなどを表します。ただし、文の中での役割によって形が変わるのが大きな違い。

セルビア語は語形変化の多い言語で、名詞は性・数・格によって形が変わるからです。

1. 性による変化

セルビア語の名詞はすべて、男性・女性・中性の3つの性のどれかに分かれます。物にも性があるので理屈どおりとはいきませんが、役立つパターンがあります。

  • 男性名詞は、たいてい子音で終わる。例:男性 čovek(チョヴェク)、犬 pas(パス)、都市 grad(グラド)
  • 女性名詞は、多くが-aで終わる。例:家 kuća(クチャ)、女性 žena(ジェナ)、学校 škola(シュコラ)
  • 中性名詞は、ふつう-oか-eで終わる。例:子ども dete(デテ)、海 more(モレ)、名前 ime(イメ)

ほとんどのセルビア語の単語がこのパターンに当てはまるので、名詞の性は見分けやすくなります。

2. 数による変化

名詞には単数と複数があり、語尾は数と性の両方によって変わります。例を見てみましょう。

  • 都市 grad(グラド)→ 複数 gradovi(グラドヴィ)
  • 家 kuća(クチャ)→ 複数 kuće(クチェ)
  • 海 more(モレ)→ 複数 mora(モラ)

3. 7つの格による変化

セルビア語には7つの格があり、文の中での名詞の役割(誰が、誰に、誰と、どこで、など)を表します。犬 pas(パス)を例に見てみましょう。

  • 主格:動作をする人や物を表す。「犬は公園にいる」はPas je u parku.(パス・イェ・ウ・パルク)。この文の名詞はpasです。
  • 属格:所有や不在を表す。「犬がいない」Nema psa(ネマ・プサ)では、psaが犬の不在を表します。
  • 与格:間接目的語として働く。「犬に骨をあげる」Dajem kost psu(ダイェム・コスト・プス)のpsuがこれ。
  • 対格:直接目的語や移動を表す。例:「犬が見える」Vidim psa.(ヴィディム・プサ)
  • 呼格:直接呼びかけるときに使う。例:「おい、犬!」Pse!(プセ)
  • 造格:「〜と一緒に」の前置詞と使う。例:「犬と散歩する」Šetam sa psom.(シェタム・サ・プソム)
  • 処格:「〜について」などの前置詞と使う。例:「犬について話している」Pričamo o psu.(プリチャモ・オ・プス)

どの文でも、伝えたい状況に合わせて名詞の形が変わっていますね。

とはいえ、一度に全部覚えなくて大丈夫。まずは日常会話でよく使う主格・対格・処格の3つに集中すればOKです。

代名詞

セルビア語の人称代名詞Ja(ヤ):私

代名詞の役割は日本語とほぼ同じ。名詞の繰り返しを避けるために使います。たとえば、名前を何度も言う代わりに「彼」「彼女」「それ」と言いますよね。

セルビア語の代名詞には、人称代名詞・所有代名詞・指示代名詞の3種類があります。ただし、名詞と同じように性・数・格によって形が変わります。

まずは人称代名詞から。

1. 人称代名詞

人称代名詞は、人や物を指すときに使います。セルビア語では、誰が話しているか、1人に話しているか複数に話しているかで変わります。

例はこちら。

日本語ラテン文字(読み方)キリル文字
私Ja(ヤ)Ја
あなた・君Ti(ティ)Ти
彼On(オン)Он
彼女Ona(オナ)Она
それOno(オノ)Оно
私たちMi(ミ)Ми
あなたたち・あなた(丁寧)Vi(ヴィ)Ви
彼ら・彼女ら・それらOni(オニ)
One(オネ)
Ona(オナ)
Они
Оне
Она

「彼ら」には3つの形があります。Oniは一般的な形、oneは女性だけのグループ、onaは中性の複数形です。

2. 所有代名詞

所有代名詞は「誰のものか」を表します。ここでのルールは、所有代名詞は持ち主ではなく、後に続く名詞の性と数に合わせるということ。

基本の所有代名詞はこちら。

日本語ラテン文字(読み方)キリル文字
私のmoj(モイ)
moja(モヤ)
moje(モイェ)
мој
моја
моје
君の(単数)tvoj(トヴォイ)
tvoja(トヴォヤ)
tvoje(トヴォイェ)
твој
твоја
твоје
彼のnjegov(ニェゴヴ)
njegova(ニェゴヴァ)
njegovo(ニェゴヴォ)
његов
његова
његово
彼女のnjen(ニェン)
njena(ニェナ)
njeno(ニェノ)
њен
њена
њено
私たちのnaš(ナシュ)
naša(ナシャ)
naše(ナシェ)
наш
наша
наше
あなたたちの・あなたの(丁寧)vaš(ヴァシュ)
vaša(ヴァシャ)
vaše(ヴァシェ)
ваш
ваша
ваше
彼らのnjihov(ニホヴ)
njihova(ニホヴァ)
njihovo(ニホヴォ)
њихов
њихова
њихово

3. 指示代名詞

指示代名詞は、「これ」「それ」のように特定のものを指します。セルビア語では、これも性・数・格で変わります。

単数の指示代名詞が性によって変わる例はこちら。

  • これ:ovaj(オヴァイ/男性)、ova(オヴァ/女性)、ovo(オヴォ/中性)
  • それ(聞き手に近い):taj(タイ/男性)、ta(タ/女性)、to(ト/中性)
  • あれ(どちらからも遠い):onaj(オナイ/男性)、ona(オナ/女性)、ono(オノ/中性)

次は複数の指示代名詞。

  • これら:ovi(オヴィ/男性)、ove(オヴェ/女性)、ova(オヴァ/中性)
  • それら(聞き手に近い):ti(ティ/男性)、te(テ/女性)、ta(タ/中性)
  • あれら(どちらからも遠い):oni(オニ/男性)、one(オネ/女性)、ona(オナ/中性)

動詞

プレゼントを渡す手とセルビア語の動詞Dati(ダティ):与える

セルビア語の動詞は、主語(誰が動作をするか)、時制(いつ起きるか)、アスペクト(終わったか、続いているか)によって変わります。

最初のステップは、「食べる」「行く」のような不定詞の形に慣れること。不定詞がわかれば、会話の中でほかの形にも気づきやすくなります。

日常でよく使うセルビア語の動詞はこちら。

日本語ラテン文字(読み方)キリル文字
〜であるBiti(ビティ)Бити
知っているZnati(ズナティ)Знати
愛するVoleti(ヴォレティ)Волети
与えるDati(ダティ)Дати
欲しいŽeleti(ジェレティ)Желети
食べるJesti(イェスティ)Јести
働くRaditi(ラディティ)Радити
覚えるZapamtiti(ザパムティティ)Запамтити
試すProbati(プロバティ)Пробати
忘れるZaboraviti(ザボラヴィティ)Заборавити
散歩するŠetati(シェタティ)Шетати
助けるPomoći(ポモチ)Помоћи
好むSviđati se(スヴィヂャティ・セ)Свиђати се

基本の不定詞を覚えたら、次は他動詞と自動詞の違い。セルビア語では次のようになります。

  • 他動詞は、動作を受ける目的語が必要。「本を読んでいる」Čitam knjigu(チタム・クニグ)では、knjiguが目的語です。
  • 自動詞は、目的語がいらない動詞。「寝ている」Spavam(スパヴァム)のように、動作だけで完結します。

使い方によってどちらにもなる動詞もあります。すぐに覚える必要はありませんが、知っておくとより完全な文が作れます。

セルビア語の動詞には、動作が終わったか続いているかを表す2つのアスペクトがあります。

  • 不完了体:続いている動作や繰り返しの動作。例:「働く」raditi(ラディティ)
  • 完了体:終わった動作。例:「やり終える」uraditi(ウラディティ)

語順と文の作り方

セルビア語の語順の例:Ja Idem Tamo.(私はそこへ行く)

セルビア語の基本の語順は、主語・動詞・目的語(SVO)。「マルコはスープを食べている」はMarko jede supu(マルコ・イェデ・スプ)で、英語と同じ語順です。

ただし大きな違いが。前にも書いたとおりセルビア語は語形変化が多く、「誰が何をしているか」は動詞の語尾と語順の両方で表されます。

だから、セルビア語の語順は自由度が高め。語順を変えても基本の意味は変わらず、強調したいところが変わるだけなんです。

語順を変えて強調する例を見てみましょう。

  • 「私はそこへ行く」Ja idem tamo(ヤ・イデム・タモ)。主語が最初に来る、標準的な語順です。
  • 「そこ」tamoを強調したいなら、Tamo ja idem(タモ・ヤ・イデム)。「私が行くのは、そこなんです」という意味に。
  • 同じように「私」jaを強調するなら、tamo idem ja(タモ・イデム・ヤ)。「そこへ行くのは私です」という意味になります。

主語は省略できる?

多くの場合、セルビア語では主語(ja、tiなど)を言わなくてOK。動詞の語尾で誰のことかわかるからです。

  • 働いています:Radim(ラディム)
  • 行きます(私たちは):Idemo(イデモ)
  • 知ってる?:Znaš li?(ズナシュ・リ)

主語を省くのはごく普通のこと。そのほうが自然で、流暢に聞こえます。日本語と似ていますね。

否定文の作り方

否定文にするには、動詞の前にne(ネ)を置くだけ。例を見てみましょう。

  • 今日は働いていません:Ne radim danas(ネ・ラディム・ダナス)
  • 答えがわかりません:Ne znam odgovor(ネ・ズナム・オドゴヴォル)

前置詞の位置は?

u、na、saなどのセルビア語の前置詞は、ふつう名詞の前に置かれ、特定の格をとることが多いです。

  • 学校にいます:U školi sam.(ウ・シュコリ・サム)
  • 友だちと行きます:Idem sa drugom.(イデム・サ・ドルゴム)

どちらの文でも、前置詞uとsaが名詞の前に来ています。

前置詞意味例文(読み方)日本語訳
u〜の中に、〜へ、〜でU školi sam.(ウ・シュコリ・サム)学校にいます。
na〜の上に、〜で、〜へNa stolu je knjiga.(ナ・ストル・イェ・クニガ)テーブルの上に本があります。
sa / s〜と一緒にIdem sa prijateljem.(イデム・サ・プリヤテリェム)友だちと行きます。
iz〜から、〜の中からDolazim iz Beograda.(ドラジム・イズ・ベオグラダ)ベオグラードから来ました。
od〜からPoklon je od Ane.(ポクロン・イェ・オド・アネ)そのプレゼントはアナからです。
do〜まで、〜へIdem do prodavnice.(イデム・ド・プロダヴニツェ)お店まで行きます。
kod〜のところでSpavam kod bake.(スパヴァム・コド・バケ)おばあちゃんの家に泊まります。
o〜についてPričamo o filmu.(プリチャモ・オ・フィルム)映画について話しています。
pre〜の前にPre škole pijem kafu.(プレ・シュコレ・ピイェム・カフ)学校の前にコーヒーを飲みます。
posle〜の後にIdem kući posle posla.(イデム・クチ・ポスレ・ポスラ)仕事の後に家に帰ります。

「文法」はセルビア語で何という?

「文法」はセルビア語でGramatika(グラマティカ)。キリル文字ではграматикаと書きます。

文法に関連する単語

文法を学ぶときによく出てくる、セルビア語の大事な単語はこちら。

日本語ラテン文字(読み方)キリル文字
アルファベットazbuka(アズブカ)азбука
文字slovo(スロヴォ)слово
主語subjekat(スブイェカト)субјекат
目的語objekat(オブイェカト)објекат
文rečenica(レチェニツァ)реченица
文法gramatika(グラマティカ)граматика
単語reč(レチ)реч
動詞glagol(グラゴル)глагол
名詞imenica(イメニツァ)именица
形容詞pridev(プリデヴ)придев
代名詞zamenica(ザメニツァ)заменица
前置詞predlog(プレドログ)предлог
接続詞veznik(ヴェズニク)везник
時制vreme(ヴレメ)време
性rod(ロド)род

文法を学び始めるコツ

セルビア語の文法はあいさつやフレーズから始める

初心者でも取り組みやすい、文法を早く身につけるコツを紹介します。

  • あいさつやフレーズから始める。「こんにちは」Zdravo(ズドラヴォ)、「元気?」Kako si?(カコ・シ)、「ありがとう」Hvala(フヴァラ)などで、自然な文の流れをつかみましょう。
  • よく使う動詞を覚える。「〜である」biti(ビティ)、「持つ」imati(イマティ)、「行く」ići(イチ)、「働く」raditi(ラディティ)など、ほぼすべての会話に出てくる動詞から。
  • 性の一致を理解する。名詞には性があり、形容詞はそれに合わせます。名詞を1つ選んで、形容詞と組み合わせてみましょう。
  • 格は少しずつ慣れる。まずは簡単な文でよく使う主格と対格から。たとえばJa volim kafu(ヤ・ヴォリム・カフ)は「私はコーヒーが好き」という意味です。
  • リラックスしてセルビア語のポッドキャストを聞く。聞き流すような受け身の学習も、能動的な学習の効果を高めることがあるという研究も。セルビア語のポッドキャストやYouTubeを流して聞いているうちに、自然といろいろなことに気づけるようになります。
  • 語学アプリを使う。Lingアプリなら、ゲーム感覚のレッスンと短い文法メモで、文法のルールをしっかり覚えられます。

よくある質問

セルビア語の文法は難しい?

最初は格や動詞の形に苦労するかもしれません。でも、パターンが見えてくればだんだん楽に。少しの練習と根気があれば大丈夫です。

セルビア語全体の難しさについては、セルビア語の難易度の記事もどうぞ。

セルビア語に格はある?

はい、7つの格があります。名詞・代名詞・形容詞の形が、文の中での役割(誰が何をするか、誰に、どこで、など)によって変わります。

セルビア語はキリル文字とラテン文字、どちらで書く?

セルビア語は、キリル文字とラテン文字の両方が公式に使われる珍しい言語。どちらも日常で使われていて、ほとんどの人が楽に使い分けています。

Lingアプリでは、英語に慣れた学習者にとって覚えやすいラテン文字を中心に学べます。

まとめ

このガイドでは、セルビア語の文法の大事な基礎を紹介しました。名詞と有名な7つの格から始めて、代名詞、動詞、前置詞、基本の文の作り方まで。言葉のしくみを理解して、実際に会話を始めるための土台です。

まとめると、セルビア語は英語と同じSVOの語順で、前置詞は名詞の前に置かれ、名詞や代名詞は性・数・7つの格によって形が変わる、ということでした。

とはいえ、一度に全部覚える必要はありません。少しずつ続けていけば、すぐにセルビア語を話せるようになりますよ。

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アプリ選びに迷ったら、セルビア語の勉強アプリを比べた記事もチェックしてみてください。

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