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【セルビア語のアルファベット】キリル文字とラテン文字の30文字を解説

Miki Kobayashi

著者 Miki Kobayashi
公開日 October 14, 2026

目次

セルビア語のアルファベットには、キリル文字とラテン文字の2種類があるって知っていましたか?どちらも公式の文字で、セルビアの人たちはごく自然に使い分けているんです。

うれしいことに、どちらを先に覚えるかで悩む必要はなし!セルビアではどちらの文字も使われていて、どちらで書いても通じます。

今回は、アルファベットの歴史と、セルビア語ならではの文字をくわしく見ていきましょう!

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セルビア語のアルファベットとは?

笑顔で親指を立てる女性

セルビア語の文字は全部で30文字。1つの音に1つの文字が対応しているので、発音を予想しやすいんです。

セルビア語は、かつて「セルビア・クロアチア語」と呼ばれていた言語。セルビアの公用語で、共通のルーツを持つクロアチア語、ボスニア語、モンテネグロ語とお互いに通じ合います。

今はそれぞれの国が独自の標準語を使っていますが、地域の人どうしで問題なく理解し合えます。

しくみと歴史

セルビア語の書き言葉では、キリル文字とラテン文字の2つが公式に使われています。どちらも同じ音を表し、ネイティブなら両方とも読めます。

セルビア語で最初に使われた文字は、9世紀のグラゴル文字。聖キュリロスと聖メトディオスが、スラブの人々にキリスト教を広めるために作った文字です。のちに、キリル文字に置き換わっていきました。

1818年、セルビアの言語学者ヴーク・ステファノヴィチ・カラジッチがキリル文字を改革しました。

その原則が、Piši kao što govoriš, čitaj kako je napisano(話すように書き、書かれたとおりに読め)です。

この発音どおりの考え方のおかげで、セルビア語の文字はわかりやすく一貫したものに。初心者でも覚えやすくなりました。

一方、ラテン文字をもとにしたガイ式ラテン文字は、チェコ語やポーランド語を手本に作られ、lj、nj、džといった独特の二重字を取り入れました。何度かの改革を経て、現在のラテン文字は30文字です。

カラジッチとガイの2人が、今のセルビア語の書き言葉を形づくったんです。

キリル文字の一覧

セルビア語のキリル文字:Ћирилица(Ćirilica/チリリツァ)

セルビア語のキリル文字はĆirilica(Ћирилица/チリリツァ)と呼ばれ、30文字。1文字が1つの音を表します。

下の表で、30文字すべてと、英語でいちばん近い音を確認しましょう。

キリル文字対応する英語の文字IPA読み方のイメージ(英語の例)
А аA/a/「ア」(car)
Б бB/b/「ブ」(bat)
Ц цC/ts/「ツ」(cats)
Ч ч–/tʃ/強めの「チ」(chalk)
Ћ ћ–/tɕ/やわらかい「チ」(church)
Д дD/d/「ド」(dig)
Џ џ–/dʒ/強めの「ヂ」(gin)
Ђ ђ–/dʑ/やわらかい「ヂ」(jack)
Е еE/e/「エ」(egg)
Ф фF/f/「フ」(fit)
Г гG/ɡ/「グ」(game)
Х хH/x/「フ」(heaven)
И иI/i/「イ」(east)
Ј јJ/j/「ヤ行」の音(year)
К кK/k/「ク」(cut)
Л лL/l/「ル」(love)
Љ љ–/ʎ/「リュ」(million)
М мM/m/「ム」(mice)
Н нN/n/「ヌ」(nice)
Њ њ–/ɲ/「ニュ」(onion)
О оO/o/「オ」(autumn)
П пP/p/「プ」(pick)
–Q––
Р рR/r/巻き舌の「ル」(Fritz)
С сS/s/「ス」(sound)
Ш ш–/ʃ/「シュ」(shut)
Т тT/t/「ト」(time)
У уU/u/「ウ」(shoot)
В вV/ʋ/「ヴ」(verb)
–W––
–X––
–Y––
З зZ/z/「ズ」(zest)
Ж ж–/ʒ/「ジュ」(pleasure)

ラテン文字の一覧

ラテン文字はLatinica(Латиница/ラティニツァ)と呼ばれ、こちらも30文字。キリル文字とまったく同じ音を表します。各文字の読み方は下の表のとおり。

ラテン文字対応する英語の文字IPA読み方のイメージ(英語の例)
A aA/a/「ア」(car)
B bB/b/「ブ」(bat)
C cC/ts/「ツ」(cats)
Č č–/tʃ/強めの「チ」(chalk)
Ć ć–/tɕ/やわらかい「チ」(church)
D dD/d/「ド」(dig)
DŽ dž–/dʒ/強めの「ヂ」(gin)
Đ đ–/dʑ/やわらかい「ヂ」(jack)
E eE/e/「エ」(egg)
F fF/f/「フ」(fit)
G gG/ɡ/「グ」(game)
H hH/x/「フ」(heaven)
I iI/i/「イ」(east)
J jJ/j/「ヤ行」の音(year)
K kK/k/「ク」(cut)
L lL/l/「ル」(love)
LJ lj–/ʎ/「リュ」(million)
M mM/m/「ム」(mice)
N nN/n/「ヌ」(nice)
NJ nj–/ɲ/「ニュ」(onion)
O oO/o/「オ」(autumn)
P pP/p/「プ」(pick)
–Q––
R rR/r/巻き舌の「ル」(Fritz)
S sS/s/「ス」(sound)
Š š–/ʃ/「シュ」(shut)
T tT/t/「ト」(time)
U uU/u/「ウ」(shoot)
V vV/ʋ/「ヴ」(verb)
–W––
–X––
–Y––
Z zZ/z/「ズ」(zest)
Ž ž–/ʒ/「ジュ」(pleasure)

伝統と現代:2つの文字の使われ方

キリル文字のЏејмс Бонд とラテン文字のDžejms Bond

2006年から、セルビア政府はキリル文字を国の公式な文字と定めています。学校ではどちらも教えられ、誰でも両方読めますが、公文書や行政、公共機関ではキリル文字が中心。

政府は教育やメディアの規制、文化的な取り組みを通じて、キリル文字の利用を守り、広める努力もしています。

一方、日常生活で広く使われているのはラテン文字。メディアや広告、ポップカルチャー、ネット上のやりとりなどで活躍しています。

セルビアのウェブサイトやSNS、商品パッケージの多くはラテン文字。実用的で国際的にもなじみやすく、特にITやビジネスの場でよく使われます。

外国の名前や言葉は、発音どおりにセルビア語の文字で書き表すのが一般的。たとえばJames Bondは、ラテン文字でDžejms Bond、キリル文字でЏејмс Бонд(ジェイムス・ボンド)と書きます。

「アルファベット」はセルビア語で何という?

「セルビア語のアルファベット」は、セルビア語で次のように言います。

  • srpska azbuka(српска азбука/スルプスカ・アズブカ):キリル文字のアルファベット српска азбука
  • srpska abeceda(српска абецеда/スルプスカ・アベツェダ):ラテン文字のアルファベット српска абецеда

どちらの文字のことを言うかで使い分ければ、どちらも正解です!

アルファベットに関連する単語

文字のしくみがわかるように、セルビア語の単語をいくつか見てみましょう。

日本語キリル文字ラテン文字(読み方)音声
アルファベットазбукаabeceda(アベツェダ) азбука
セルビア語のアルファベットсрпска азбукаsrpska abeceda(スルプスカ・アベツェダ) српска азбука
文字словоslovo(スロヴォ) слово
単語речreč(レチ) реч
言語језикjezik(イェジク) језик
書くことписањеpisanje(ピサニェ) писање
読むчитатиčitati(チタティ) читати
話すговоритиgovoriti(ゴヴォリティ) говорити
発音どおりのфонетскиfonetski(フォネトスキ) фонетски
音звукzvuk(ズヴク) звук

アルファベットを覚える5つのコツ

セルビア語のアルファベットを覚えるコツ:名前で読み書き、字幕つきで見る、タイピングする
  1. よくある名前で読み書きの練習。Ana(アナ)、Nikola(ニコラ)、Jelena(イェレナ)といったセルビア人の名前や、Petrović(ペトロヴィチ)、Marković(マルコヴィチ)などの名字には、大事な文字や音がたくさん。キリル文字とラテン文字の両方に慣れるのにぴったりです。
  2. 2つの文字で書かれた看板やメニューを見る。セルビアでは、看板やレストランのメニューに両方の文字が並んでいることがよくあります。写真やスクショを撮って、声に出して読んでみましょう。実際に使われている文字に触れると、両方がぐっと身近に。
  3. セルビアのメディアを字幕つきで見る。ニュース、MV、コメディ番組など何でもOK。キリル文字かラテン文字の字幕をつければ、話し言葉と書き言葉がつながります。楽しみながら文字を覚えられる方法です!
  4. 両方の文字でタイピングする。キーボードをセルビア語に切り替えて、簡単な文をキリル文字とラテン文字で打ってみましょう。
  5. なじみのある言葉から手書きで練習。1日5分、Kako si?(カコ・シ/元気?)のような簡単なフレーズを、キリル文字とラテン文字の両方で書いてみてください。書き写すことで脳と手が覚え、文字の形が身につきます。

よくある質問

セルビアではなぜ2つの文字を使う?

歴史的・文化的な影響から、セルビアではキリル文字とラテン文字の両方が使われています。公式なのはキリル文字ですが、メディアや日常生活ではラテン文字もよく使われます。

どちらも同じ30の音を表すので、セルビアの人たちは楽々と切り替えられるんです。

ロシア語のアルファベットと同じ?

まったく同じではありません!セルビア語とロシア語のキリル文字は土台が同じですが、文字の種類や発音に違いがあります。

セルビアの人はキリル文字とラテン文字、どちらが好き?

場面によります!公式な文字はキリル文字で、行政や学校、改まった場で使われます。

ただ、日常生活ではラテン文字のほうがよく見かけます。メディアやネット、メッセージ、広告などがその例。ほとんどの人が両方を使いこなしますが、カジュアルな場面ではラテン文字が優勢です。

まとめ

今回は、セルビア語のアルファベットの成り立ち、キリル文字とラテン文字の違い、今の使われ方を紹介しました。全部の文字と、覚えるための実践的なコツもチェックしましたね。

アルファベットを覚えることは、セルビア語の文法を理解する第一歩。語尾が読めて、パターンに気づけて、単語を正しく発音できるようになります。

腕試しに、これを読んでみてください。Ово је српска азбука.(オヴォ・イェ・スルプスカ・アズブカ)ヒント:「これはセルビア語のアルファベットです」という意味です。

練習を続けて、好奇心を忘れずに。セルビア語の書き方も、1文字ずつ楽しんで身につけていきましょう!

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アルファベットを覚えるのは、新しい世界へのカギを手に入れるようなもの。2つの文字が読めるようになれば、セルビア語での自己紹介や、よく使う表現もぐっと身近に感じられるはずです。

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