マレー語とインドネシア語の違いを音声付きで比較!豆知識ガイド第1位
マレー語とインドネシア語は大変似ていて、兄弟のような言語です。マレー語とインドネシア語は共通のルーツを持ち、相互理解が可能なほど似ているため、ネイティブスピーカーは日常的な会話は問題なくできます。
が、両言語は歴史や外来語、発音などの違いにより、独自の変化を遂げた2つの違う言語です。
マレーシア人とインドネシア人が互いに自国の言語(マレーシア語=Bahasa Malaysia、インドネシア語=Bahasa Indonesia)で会話をしている光景はよく見かけられますが、彼らはもちろん、相手が違う国の言葉を使うのだと即理解します。マレー語とインドネシア語は相互理解が可能ですが、やはり違いがはっきりとあり、その違いは、大まかに言えば日本の大阪弁と東北弁ほどの違いではないでしょうか。
それでは、マレー語とインドネシア語の違いを探ってみましょう。
目次
マレー語とインドネシア語は同じ言語?
マレーシア語とインドネシア語は、お互い理解し通じることができます。が、同じ言語ではありません。
両言語は、年月を経ていくつかの違いが生じたのです。もともとマレー語は、マラッカ王国(14世紀頃)でリンガ・フランカ(共通語)として広まり、マレー半島とインドネシアの諸島で使われていました。これが、現代のマレーシアやインドネシア、シンガポール、ブルネイなどで、共通の言語として使われる土台となったのです。
が、その後の植民地時代にイギリスとオランダからそれぞれ異なる影響を受け、言語の分岐が始まりました。語彙には、英語やオランダ語、ジャワ語などの影響を受けた地域独自の違いがあり、発音もまた異なり、特定の音に違いがあります。それでも文法構造や言語の基本的な特徴は非常に似ているため、両言語の話者同士の会話は比較的スムーズに行えます。
なので、日本国内の方言ほどの違いと言えるほど、意外に似ているんです。
両言語は同じルーツ
それでは、同じルーツを持つそれぞれの言語について見ていきましょう。
マレーシア語(マレー語):Bahasa Malaysia
現在の標準マレー語は、イギリスの植民地時代の影響を強く受けていますが、マレーシアが独立した後、2007年に、マレー語を「Bahasa Melayu」ではなく「Bahasa Malaysia(マレーシア語)」と呼ぶようになりました。これは、言語が国民全体のものであり、マレー人だけのものではないとい意識を表しています。
現在、マレー語はマレーシア、ブルネイ、シンガポールの国語となっており、タイや東南アジアの他の地域でも話されています。
インドネシア語:Bahasa Indonesia
もともとインドネシア語は、マラッカ海峡などで使われていた交易語リンガ・フランカ(共通語)である海峡マレー語だったので、現在のマレーシア語と同じルーツです。
その後のオランダの植民地時代から、オランダ語が大きく影響しますが、インドネシア建国時、多言語国家での国民統一のための国語として制定されました。同じルーツの言語として、文の構造はマレーシア語と非常に似ています。
マレー語とインドネシア語の違い
同じルーツの兄弟のようなマレーシア語とインドネシア語は、その後の歴史に影響されて言語の分岐が始まりましたが、実際にどう違うのでしょうか?翻訳でも違いがでるのでしょうか?
表記の違い
マレー語とインドネシア語は、かつて共通のジャウィ文字を使用していましたが、イギリスとオランダの植民地時代を経て、各国でローマ字表記が標準化され、それぞれ異なる表記体系が発展しました。
両言語はそれぞれイギリスとオランダの影響を受けているため、同じ単語でも標準マレー語と標準インドネシア語で綴りが異なる場合があります。
例えば:「cucu(孫)」は現在では同じ綴りですが、かつてはマレー語で「chuchu」、インドネシア語で「tjoetjoe」と表記されていました。
マレー語 | インドネシア語 | 違いのポイント |
---|---|---|
teksi | taksi | 英語由来の「taxi」の表記が異なり、インドネシア語はより発音に基づいています。 |
universiti | universitas | マレー語は英語に近い表記を使用し、インドネシア語は「s」で終わる形を好む。 |
fikir | pikir | マレー語は「f」、インドネシア語は「p」を使います。 |
muzik(「音楽」) | musik | 英語の「music」に由来する単語で表記が異なります。 |
Encik(「~さん」) | Bapak/Ibu(「~さん」) | マレー語は「Encik」を使用、インドネシア語は「Bapak/Ibu」を使用。 |
発音の違い
綴り通りに発音するという、Bahasa Baku(バハサ バク)と呼ばれる発音規則があり、インドネシア人やブルネイ、東マレーシアの人々はこのBahasa Bakuを使用し、綴り通りに発音するのが一般的です。
一方、マレーシア人は、ややリラックスした音で、綴り通りに発音しない傾向があります。
母音と子音の例をいくつかみてみましょう。
母音 | マレー語 | インドネシア語 |
---|---|---|
“e” | 2種類の発音: [e](閉音)と [ə](曖昧音) | 通常 [e] に近い発音をする傾向が強い |
例 | teksi → [tɛksi] または [təksi] | taksi → [taksi] |
子音 | マレー語 | インドネシア語 |
---|---|---|
“r” | 巻き舌の「r」(スペイン語に近い) | 軽い「r」または弱めの発音 |
“k” | 語尾では弱く発音(無音に近い場合も) | はっきり発音 |
マレー語とインドネシア語の語彙の違い
語彙については、インドネシア語がオランダ語からの借用語を多く含む一方で、マレー語は英語からの借用語を多く含んでいるので、多少の違いがあります。
以下、違う単語の例をまとめてみます。
日本語/英語 | マレー語 | インドネシア語 | オランダ語 |
---|---|---|---|
タオル/Towel | Tuala トゥアラ | Handuk ハンドゥク | Handuk |
資産/Asset | Aset アセット | Aktiva アクティヴァ | Activa |
バッグ/Bag | Beg ベグ | Tas タス | Tas |
テレビ/Television | televisyen テレヴィスィエン | televisi テレヴィシ | televisie |
車/Car | Kereta ケレタ | Mobil モービル | Automobil |
同形異義語(false friends) の存在
「false friends」とは、同じ単語が異なる意味を持つ現象です。マレー語とインドネシア語にはこの「false friends」が多く存在し、誤解を生むことがあります。
以下、例をまとめます。
単語 | 音声 | マレー語の意味 | インドネシア語の意味 |
---|---|---|---|
Banci バンチ |
| 人口調査 | 女性的な男 (ネガティブな意味) |
Berbual ブルブアル | 雑談する | 嘘をつく | |
Bercinta ブルチンタ | 恋愛中 | 性行為をする | |
Biji ビジ | 種 | 精巣(卑語) | |
Comel チョメル | かわいい | 秘密を守れない人 | |
Kacak カチャック | ハンサム | 威張り屋 | |
Kesal クサル | 後悔 | イライラする | |
Percuma プルチュマ | 無料 | 必要がない | |
Punggung プングン | お尻 | 背中 | |
Pantas パンタス | 速い | 適切な |
マレー語とインドネシア語のその他の語彙の違い
両言語で共通して通じる単語でも、国ごとに異なる単語を好んで使用する場合もあります。
日本語/英語 | インドネシア語 | マレー語 |
---|---|---|
欲しい/want | mauマウ | nakナッ |
できる/can | bisaビサ | bolehボレ |
いいえ/no | nggakンガッ | takタッ tidakティダッ |
よくある質問と答えQ&A
マレー語(マレーシア語)とインドネシア語の違いは?
両言語は同じルーツを持つ兄弟のような関係で、両言語の話者はお互いを理解し、翻訳の必要はほぼありませんが、発音や語彙で若干の違いがあります。
語彙の違いでは、マレー語で「背中」がインドネシア語では「お尻」だったり、「可愛い」と言ったはずが、「秘密を守れないのね」と思われたり、誤解を招く恐れがあります。
マレー語とインドネシア語で「ありがとう」は同じ?
「ありがとう」は、どちらも同じ言葉、Terima kasih(テリマ カシ)です。
マレー語とインドネシア語の効率的な勉強法は?
両言語は大変似ている言語なので、インドネシア語を勉強すれば、ほとんどマレー語を勉強していることになります。
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