インドは数百種類もの言葉・方言が日常的に使われる多言語国家として有名ですが、「国語」や「唯一の公用語」は存在しません。代わりに、憲法で定められた 22の「指定公用語(Scheduled Languages)」 があります。
その中でも、インドの言葉として一番話されているのがヒンディー語で「多数派独占」ではなく、話者は約44%なんです。
この記事では、インドで使われているヒンディー語などの主要言語、旅行やビジネスで戸惑わない現地英語の特徴をまとめ、簡単な言葉・挨拶の例を音声付きでご紹介します。
目次
インドの22の公用語とは?
100以上もの違う言葉が存在する国、インド。多いですよね。
ですが、ビジネスや行政、教育などで公式言語として使われるのはヒンディー語と英語で、英語は準公用語です。
では、憲法で定められている22の公用語を一覧でまとめてみます。
| No. | 言語名 | 英語名 | 話者割合(約) | 主な使用地域 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ヒンディー語 | Hindi | 43.6% | 北・中部インド |
| 2 | ベンガル語 | Bengali | 8.0% | 西ベンガル州 |
| 3 | マラーティー語 | Marathi | 6.9% | マハーラーシュトラ州 |
| 4 | テルグ語 | Telugu | 6.7% | アンドラ・テランガナ |
| 5 | タミル語 | Tamil | 5.7% | タミル・ナードゥ州 |
| 6 | ウルドゥー語 | Urdu | 5.0% | 北部・イスラム圏 |
| 7 | グジャラート語 | Gujarati | 4.6% | グジャラート州 |
| 8 | カンナダ語 | Kannada | 3.6% | カルナータカ州 |
| 9 | マラヤーラム語 | Malayalam | 2.9% | ケーララ州 |
| 10 | オディア語 | Odia | 3.1% | オディシャ州 |
| 11 | パンジャーブ語 | Punjabi | 2.7% | パンジャーブ州 |
| 12 | アッサム語 | Assamese | 1.3% | アッサム州 |
| 13 | マイティリー語 | Maithili | 1.2% | ビハール州 |
| 14 | サンスクリット語 | Sanskrit | 0.002%未満 | 学術・宗教 |
| 15 | ネパール語 | Nepali | 0.3% | 北東部 |
| 16 | コンカニ語 | Konkani | 0.2% | ゴア州 |
| 17 | シンド語 | Sindhi | 0.3% | 西部 |
| 18 | マニプリ語 | Manipuri (Meitei) | 0.1% | マニプール州 |
| 19 | ボド語 | Bodo | 0.1% | 北東部 |
| 20 | サンタリ語 | Santali | 0.6% | 東部 |
| 21 | カシミール語 | Kashmiri | 0.1% | カシミール地方 |
| 22 | ドグリ語 | Dogri | 0.2% | ジャンムー地方 |
つまり、インド人口の半数以上はヒンディー語を母語としていないので、これが「ヒンディー語一本化」がうまくいかなかった理由です。
上位5言語だけで約70%。
ヒンディー語、ベンガル語、マラーティー語、テルグ語、タミル語、この5言語だけで、インド人口の約7割を占めます。
サンスクリット語の話者は0.01%にも満たないですが、宗教、哲学、学術、文化的象徴としての重要性から公用語に含まれています。
この22言語一覧は「話者数ランキング」ではなく、文化・政治のバランス表と言えます。
英語の話者はどのくらい?

英語(母語+第二言語)を使える・話す人は約15〜20%で、そのうち流暢なレベルで話す人も多いのがインドです。行政・司法・ビジネス・IT・教育上、インドでは重要な言語として、英語は22の公用語に含まれないのですが、実務上は最強の使える共通語です。
日本人が北インドへ旅行する場合、英語とヒンディー語の簡単な基本の挨拶を覚えておくと、どのような場面でも大丈夫ですが、特にビジネスには英語は必須です。
インド英語の重要性
インドを語る上で、英語の存在は欠かせません。
なぜ英語がここまで強いかというと、植民地時代の歴史があります。
イギリス統治下で英語は「支配の言語」でしたが、独立後、インドは英語を排除するのではなく、多言語国家をまとめるための中立言語として残しました。
皮肉なことに、ヒンディー語よりも英語の方が「政治的に中立」だったのです。
インド英語の発音・表現の特徴
インドで使われる英語は、一般にインド英語(Indian English)と呼ばれます。
これは「英語が下手」という意味ではなく、インド独自の歴史・言語環境の中で発達した正統な英語の一種です。シンガポールの英語(シングリッシュ)と同じですね。
日本人がインド人と話す際、「英語なのに聞き取りにくい」「意味は合っているのに表現が違う」と感じることが多いのは、この特徴を知らないからです。
ヒンディー語や多くのインドの言葉が巻き舌・明確なR音を持つ、TH(θ / ð)の音が存在しないなどの理由から独自の発音があります。
ヒンディー語の基本挨拶
それではここで、ヒンディー語の簡単な挨拶・会話を音声付きで紹介します。ヒンディー語は デーヴァナーガリー文字(देवनागरी) を使います。
| 日本語 | ヒンディー語 | 音声 |
|---|---|---|
| こんにちは | नमस्ते ナマステ | |
| ありがとう | धन्यवाद ダンニャワード | |
| 美味しい | स्वादिष्ट スワーディシュト | |
| この料理はとても美味しいです | यह खाना बहुत स्वादिष्ट है イェ・カーナー・ボホット・スワーディシュト・ハイ |
ヒンディー語以外の「こんにちは」
| 言語 | こんにちは |
|---|---|
| タミル語(南インド) | ワンナッカム(Vanakkam) |
| ベンガル語(東インド) | ノモシュカール(Nomoshkar) |
| マラーティー語(西インド) | ナマスカーラ(Namaskār) |
インド人は「自分の地域の言語で挨拶される」ことをとても大切にするので、一言でも使えると距離が一気に縮まります。
インドの言葉に関する質問と答えQ&A
インドの公用語はヒンディー語だけですか?
いいえ。多言語国家のインドには憲法で定められた22の公用語があり、ヒンディー語はその中で最も話者が多い言語です。
ただし全国共通語ではなく、州ごとに主要言語が異なり、南インドではタミル語やテルグ語などが中心です。
インド旅行ではヒンディー語と英語どちらが必要ですか?
観光やビジネスでは英語が広く通じます。
インド英語は行政・IT・国際取引の共通語として機能しています。ただし、ヒンディー語や地域言語で「ナマステ」など一言挨拶すると印象が大きく向上します。インドでは現地の言葉を尊重する姿勢が重視されます。
インドではなぜ英語が今も重要なのですか?
インド英語は植民地時代の影響で広まりましたが、独立後は多言語国家をまとめる中立的な共通語として残されました。
ヒンディー語を全国統一言語にすると地域対立が生じるため、英語が行政・司法・ビジネスの橋渡し役を担っています。現在も実務上は最重要言語です。
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