広東語発音と、普通話「Pǔtōnghuà プートンファ」と呼ばれている北京語を基にした標準中国語の発音とでは、実際、どれほど違うのでしょうか?
広東語と中国語は、同じに思えますが、実は全く違う言語なんです。なので、発音も異なります。
香港・マカオで話されている広東語か、または普通話(標準中国語・北京語)を勉強し始めると抱く疑問ですね。実は、この二つの言語は、実は、スペイン語とフランス語の違い以上に異なる言語と言えます。
今回は、特に広東語と中国語の発音に焦点を当てて両言語を比較します。そして、その違いを理解した上での両言語の効率的な勉強方法を提案していきます。
また、広東語、中国語、英語、3言語を同時に学習、習得できてしまう最強のオススメLingアプリについてもご紹介します。
広東語と普通話(北京語・標準中国語)について
香港・マカオで生活していると、広東語と英語のバイリンガル、そしてそこに普通話も話すトリリンガルの人まで多くいることに驚きますね。広東語、英語、そして標準中国語は、全く違う言語だからです。本当に彼らの言語能力には頭が下がります。
香港の歴史背景
広東語と英語は、香港の公用語ですが、120年以上にわたるイギリスの統治が終わって中国に返還された後も、英語は変わらず香港の公用語として認められた背景には、中国が決めた「一国二制度」という香港の体制があります。
広東語は、実は話し言葉として口語的な要素が主な言語で、書き言葉としては、北京語を基に標準中国語として中国全土で使われている普通話が、香港でも使われます。この複雑な香港の言語事情は、「香港の中国語事情と広東語の効率的な勉強方法」というLingブログで、広東語と普通話の違いを詳しく説明してありますので、そちらも参考にしてみてください。
広東語と普通話の文法の違い
それではまず簡単に、両言語の文法の違いについて、以下リストします。
- 語順:基本的に語順は似ていますが、広東語では動詞の後に目的語が来る場合が多かったり、助詞と副詞の位置が中国語とは異なる場合がある。
- 否定形:広東語では、「唔(m)」、普通話では、「不(bù)」を使う。
- 完了形:広東語では、「咗(zo2)」、普通話では、「了(le)」を使う。
- 疑問文:広東語では、「嗎(ma)」よりも、「係咪(hai6 mai6)」が多い。
- 漢字:日常の表現や構文で、違う漢字が使われることがあり、語彙が違う。
広東語と普通話の文字の違い
どちらの言語も漢字を表記文字として使っていますが、漢字の表記体がそれぞれ違い、また異なる語彙が使われます。簡単に、以下の違いがあります。
- 繁体字と簡体字:香港・マカオでは繁体字が使われ、普通話では簡体字が使われる(香港の植民地時代に、中国本土で表記が変わった)。
- 語彙の違い:広東語特有の漢字があり、そして普通話の標準的な表現では異なる漢字が使われる。
広東語と中国語の発音の違い
さあ、本題に入ります。日本人にとって中国語習得の難易度が高い特徴の第一位に、発音があると思いますが、広東語と北京語/普通語は、なんと声調や発音まで違うのです!
声調(トーン)の違い
広東語:基本、6つの声調があります(伝統的には9種類あると言われますが、現代では主に6つが使われます)。
普通話:4つの声調、そして、1つの静音(トーンのない音)があります。
例:「si」の音の声調を見てみましょう。
広東語:
si 声調 | 広東語 | 音声 |
---|---|---|
si1 (第一声) – 高平調(高く平坦な音) | 詩 | |
si2 (第二声) – 高昇調(高い音からさらに上昇) | 史 | |
si3 (第三声) – 中平調(中くらいの高さで平坦) | 試 | |
si4 (第四声) – 低降調(中くらいの高さから低く降りる) | 時 | |
si5 (第五声) – 低昇調(低い音から中くらいの高さまで上昇) | 市 | |
si6 (第六声) – 低平調(低い音で平坦) | 是 |
普通話(中国語):
si 声調 | 普通話 | 音声 |
---|---|---|
sī (第一声) – 高平調(高く平坦な音) | 司 | |
sí (第二声) – 上昇調(中程度の高さから上昇) | 嘶 | |
sǐ (第三声) – 低く下がり、上昇する調(低く下がってから少し上昇) | 死 | |
sì (第四声) – 降下調(高いところから低く下がる) | 四 |
子音の違い
広東語には、普通話の特徴であるそり舌音がありません。(普通話の「zh」「ch」「sh」は、広東語では「ts」の音に相当します。)
例:普通話と広東語発音比較
母音の違い
広東語には普通話にはない独特な母音があり、普通話には広東語にはない母音の組み合わせがあります。
例:広東語の「eui」や「oeng」の音は、普通話にはなく、普通話の「ü」(ü)音は、広東語には存在しません。
広東語と普通話の発音表記の違い
広東語も普通話も、発音をローマ字で音声表記するシステム、拼音(ピンイン)があり、どちらも声母(子音)と韻母(母音)と、その単語の声調がわかるようになっています。
この広東語と普通話のピンインがわからない時は、両方を相互に変換するためのサイトやオンラインツールがあります。(Pleco Chinese Dictionary、MDBG Chinese Dictionary、Cantodict では発音と意味、Cantonese Tools by 廣東話拼音轉換で、普通話のピンインから広東語の音声に変換)
広東語の発音表記
広東語の発音ローマ字表記には様々なシステムがあり、どれを使ったらいいのか迷いますが、イエール式が日本人にはわかりやすいです。上記の例の広東語の発音表記は、イエール式です。
また、広東語には、各音節(声母と韻母の組み合わせ)を示した発音表があるので、この発音表により、音の組み合わせとその発音がわかりやすくなります。広東語の発音は、声母(子音)と韻母(母音)から構成され、それに声調が加わることで単語の意味が変わります。
例:gwóng jàu wá(広東語という意味)
詳しい広東語の発音と最適な勉強法の記事もあるので、興味のある方は是非。
普通話の発音表記
普通話、北京語には、「拼音(ピンイン)」が使われます。ピンインは標準化された表記法で、声母、韻母、声調が示されます。上記の例の普通話の発音表記は、ピンインです。
ピンインは、中国語の発音をローマ字で正確に表記することを可能とし、世界中の人たちが中国語を学習することが可能となった重要なシステムです。教育、デジタル入力、辞書の使用、音声学研究、国際コミュニケーションなど、さまざまな場面で役立っています。
広東語と中国語を習得するには?
広東語と中国語の発音の違いを理解することで、それぞれの言語を習得するための勉強方法が見えてくるのではないでしょうか。
日本人にとって、まず広東語も普通語も勉強する上で一番の難関となるのは、発音です。文章は翻訳に頼ればある程度はわかりますが、これらの言語の会話力をつけるには、何よりも発音が最も大事です。
幸い、両言語とも発音のローマ字表記システム、ピンインがあるので、これらを使えば発音はどうすればいいのかはわかります。あとは、ネイティブ音声でひたすら耳からインプットして慣れ、口からアプトプットして練習することが、習得への近道です。
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